古城の門46

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古城の門第46号(4)昨年度、上田市では合併から五周年という節目の年を迎え、新市の一体感をより確かなものとするため、合併協定の中で「新市において新たに制定する。」こととなっていた市のシンボルとなる花の制....

古城の門第46号(4)昨年度、上田市では合併から五周年という節目の年を迎え、新市の一体感をより確かなものとするため、合併協定の中で「新市において新たに制定する。」こととなっていた市のシンボルとなる花の制定を行いました。市では、市花を制定するにあたり市民への意向調査を二度にわたり実施し、その結果、いずれも「さくら」が一位を占めました。更に、上田城跡公園の「上田城千本桜」をはじめ市内には桜の名所が多数あり、市民に最も親しまれている花であることや上田市の観光資源であることなどを加味し、「さくら」を選定。昨年12月の市議会定例会において議決され、市花として「さくら」が制定されました。なお、市花の表記については「やわらかさ」、「親しみや上田市の市花に「さくら」制定すさ」を持たせるために、ひらがな表記となりました。自然と人が調和した風格と魅力あふれるまちづくりを進めるために、この「さくら」が上田市の象徴となることを期待したいと思います。一方、市の木(市木)については、二度の意向調査でそれぞれ一位が異なる結果となり、桑あるいは桜という意見となるなど、市花に比べ市民の意見が多様であることから、今後、機会を捉えて制定していく方針となっています。写真は、本校東北の隅にあり、鬼門を守っているエンジュの巨木です。幹周りは4.5m、相当の重量感を保持しています。エンジュは漢字で「槐(カイ)」と書き、音のカイは、懐と同音ということから、民を慈しむ大臣の家に好んで植えられたということです(「作庭記」)が、懐は、「なつく、ふところ」という訓ですので、子どもたちを大切にすることにも通じます。学校にはふさわしい樹木であると同時に、上田城が鬼門を忌むことから東北の隅を欠く、いわゆる「隅欠し」の構造を持っていることと考え合わせ、真田信之公ゆかりのエンジュである可能性もあるかと、また、そうあってくれたらと思っています。ご覧のとおり男性的な風貌をもったエンジュですけれど、このエンジュ、かなりの高齢で幹の3分の2ぐらいに枯れが入ってしまいました。昨年の3・11以来、最悪の事態に備えてということもあり、同窓会のお力をお借りして、この春に手当てしました。危険な枝を払い傷を塞いで、23mの背の高さを誇っていた樹木が幾分小さくはなりましたが、見えにくいワイヤーも9本ほどめぐらし、少々の風にはびくともしない状態になっています。樹木医の資格をもつ業者の方にも、丁寧で好意的な仕事をしていただきました。今年は6月にめずらしく台風がやってきました。長野県をかすめたのですけれど、その台風の抜けたあと、新しい細い枝に白いエンジュの花が咲いていました。花が開くのはこの時期なのだと改めて教えていただきました。「10年かけて養生してください」といわれています。活力を早く取り戻して、末永く上田高校の護りをお願いしたいと思います。