事務局より

事務局からのお知らせ

上田高等学校同窓会第18回「女性同窓生の集い」報告

 台風一過の澄みきった秋空となった10月27日の日曜日、同窓会館2階の多目的ホールにおいて、第18回の女性同窓生の集いを開催致しました。
 「女性の健康&家族の健康」をテーマに、講演会とパネルディスカッションという2部構成の健康セミナーで、今回は女性同窓生だけでなく、男性にもまた一般のみなさまにも参加いただきたいと呼びかけました。理事長を始めとする理事のみなさま、同窓会事務局、また当番期である73期の同窓生のみなさんにもご協力いただき、総勢57名という多くの方々にご参加者いただくことができました。

 まず最初は、日置理事長に開会のご挨拶をいただきました。

画像 001.jpg

 四季レディースクリニック院長 江夏亜希子先生による記念講演は、女性アスリートの月経異常を例に、「アタランタ(女神)の末裔たちへ~現代女性の月経異常」という演題で、興味深い内容でした。月経のしくみや妊娠・出産のために大切な排卵のしくみ、女性の身体を守っているエストロゲンという女性ホルモンについて、わかりやすくご説明いただき、参加女性からは、自分のことなのに今まであまり知らなかった、聞いてよかったという反響をいただきました。

画像 004.jpg

 江夏先生は、スポーツドクターとしても活躍され数多くのアスリートとの交流があり、北島康介選手と一緒に行った世界水泳の写真なども拝見させていただきました。女性アスリートが、激しいスポーツや減量のストレスから月経異常をきたし、無排卵・無月経・骨量低下という負のスパイラルに陥ってしまった例は、痩せていること、美しいことを求められる競技、特に器械体操・新体操・マラソンなどに頻発しているそうです。
 女子マラソンの増田明美選手、高橋尚子選手、野口みずき選手らが疲労骨折を繰り返したこと、命を落としてしまった痩せすぎモデルの問題などの例は、周期的な月経の重要さを切実に感じました。フィギュアスケートの鈴木明子選手は「痩せていなくては先生に見放されてしまう」と摂食障害に。身長161cm、48kgが3ケ月足らずで32kgになってしまったそうです。完治には3年かかり今の活躍があるわけですが、正常な月経周期を取り戻すまでには、長い年月が必要なようです。

 後半は「地域医療機関との係わり」~かかりつけ婦人科・薬局はありますか?というテーマで、パネルディスカッションを行いました。

画像 013.jpg

 上田病院院長 森 浩二先生からは、かかりつけ医と長年のよい関係をつづけてほしいというお話しをいただき、上田原マタニティ&レディースクリニック院長、宮下 尚夫先生からは、若い人の受診率が低い長野県内の婦人科検診の実態などもうかがいました。  
小諸市ほんまち薬局薬剤師の樽沢 清子先生は、受診を迷っている時にも気軽に相談し、身近な薬局をもっと活用して欲しいと訴えておられました。
 宮下先生は、奈良時代聖武天皇の頃に信濃国分寺あたりにあった産屋や、江戸末期の日本で始めての帝王切開など、産婦人科の歴史についてもお話し下さり、興味深くうかがいました。

画像 006.jpg

 会場からも活発なご意見があり、子どもが摂取対象年齢で子宮頸がんワクチンの接種・副反応などについて「本当の情報を知りたい」という切実な質問も飛び交いました。先生方からは、ニュースなどの報道でもなかなか聞けない真実をうかがい、誤った情報に惑わされず正しい判断をするためにも、日頃からよい医療機関とよいコミュニケーションをとることの大切さを、改めて実感しました。

 今回、準備不足や、台風によるお天気の心配もありましたが、講師の先生方、同窓会の皆様の温かいご協力により、なんとかいい会を行うことができました。心より感謝致します。
(73期 北沢 真澄)