2011年10月アーカイブ

僕ディレクションやってます!とクライアントの前で自己紹介してます。
ディレクションの仕事ってジャンルによってさまざまだけど、WEBや印刷部のジャンルでは
物事をうまく進める役割だと思っています。

印象に残るホームページ、素敵なチラシなどは、デザイナーが単なるひらめきでできている
ものは少ないです。

ものづくりには順序があります。

まずヒヤリング。

依頼主の会社に伺いとことん話を聞きます。ここでは依頼したい事柄を聞くのはもちろんで
すが、まわりを良く観察して「質の良い質問」をすることが大切です。
例えば「なんでこの社名になったんですか?」こんな質問をするだけでも面白いストーリー
を聞くことができたりします。社名って当初、設立者の熱い気持ちがこめられている場合が
あるからです。

またその商品が食べるものであれば食べてみる、体験できるサービスであれば体験してみ
るのが一番です。実際に自分が体験することで客観的に感想が生まれ、その先の企画に
大事なヒントが見つかったりします。

次に企画。

何より目的をはっきりとします。それも1つにしぼって。
WEBや印刷物を作りたい依頼主は、WEBや印刷物が欲しいことが本来の目的ではない
と感じ取った方が良いと思います。きっと多くがモノが売れるために必要だから依頼をしてく
るわけです。だからモノが売れるためにどんな企画が効果的かをじっくり考えることが必要
になってくるわけです。

次に構成。

どうやったら売れるかを企画した上でWEBや印刷物にどんな情報を編集していくかの構成
を考えます。この段階ではまだデザインはしません。編集になんの要素が必要かをひたすら
具現化します。例えばどんな写真が必要かとか、どんなメッセージを文章で伝えるべきかを
考えます。

次に撮影や取材。

企画の段階でおおまかなスケッチを作成しておきます。それにしたがってカメラマンは撮影
を行い、コピーライターは取材し文章を作成します。

で、やっとデザイン。

撮影した写真、取材した文章、これらの素材をもとにデザイナーがデザインします。
この時にそもそも企画で考えた軸(コンセプト)をちゃんとディレクターが指示をださないと
ターゲットに対してずれたデザイン(カラーリングなど)や目的からそれた構図になり台無し
になってしまいます。

次に依頼主に確認。

誤字脱字などを確認してもらうことを「校正」といいます。
人が作ったものは必ずといっていいほど間違いがあります。これらを見つけ間違いのない
モノをつくるために依頼主、また関わった関係者の目でとことん確認して正しい内容に
修正していきます。


だいたいこんな流れにディレクターは常に関わりWEBや印刷物ができるわけです。


「お客様に喜ばれる良いものをつくりたい。」

それを実現するには、どれだけ依頼者の気持ち、またそれを購入する利用者の気持ちを
的確に感じ取ることができるかが重要です。

ポイントは「軸(コンセプト)」です。

例えば「人は安くて良いモノであれば消費する」と決めたとしたら自分の脳をそれに洗脳
させます。普段自分がそうは思っていなくても。
そうすることで何か編集要素を思いついた時にその「軸」に事柄をもどすと、思いついたこ
とが軸に対してぶれているかぶれていないかを確かめることができます。そうやって複数
の要素がぶれずにまとまってくると最強の企画デザインが生まれます。

その他「良いモノは高くたって人は買う」、「外食に革命をおこす!」とかが軸になった時は
そう自分を洗脳させなければならないわけです。(これが難しい・・・)

時に自分のものさしを持ち、時の自分のものさしを違う規格にする。
そんな能力が身につけば企画デザインの業界だけでなく、あらゆる業界で「できる人」に
なれると最近感じています。

「世の中って矛盾してるよね~」と愚痴をこぼしている人は「できる人」にはなれないかな・・・
だって正解の裏には矛盾がいつもくっついているから。


農林水産祭(農林水産省など主催)の最高賞である天皇杯に長野県東御市の永井農場さん
が選ばれました。とっても名誉ある賞だそうです。

農林水産業の優れた功績をたたえる賞であり、それが地元にある農場が選ばれるなんて
嬉しいニュースです。実は今年、日本農業賞でも大賞に選ばれ、今年はダブルで名誉ある
賞を受賞しています。

永井農場さんは信州東御市で、牛を飼い、その糞を堆肥として活用した循環型農業を
行なっています。 http://www.nagaifarm.co.jp/

受賞にあたって何が評価されたかは知らないですが、永井さんと長くお付き合いするなかで
感じたことは、農業をちゃんとした「職業」にすることです。

農業は一年に一度しかない収穫で生計を立てています。
だからなかなか雇用を生むような「会社」にすることは難しいです。

しかし、永井農場さんは稲作農業にある、牛の乳、もち米、うるち米などを加工品として商品
もつくり販売することで雇用を実現しています。

また株式にしてからは、会社の組織のフラット化により働くスタッフの意識共有を図り、社員
教育にも力を入れています。
(農場に行くと若いスタッフが楽しく働く様子がいつも印象的です。)

このニュースをきっかけにどんどん新しい農業事業が生まれ、農業がちゃんとしたビジネス
になると嬉しいですね。

10月8日、9日と生まれて初めて山形に行ってきました。目的はLoop38がゲストとして
若者やまがた応援ネットキックオフミーティング」というイベントに招待されたからです。

招待されたのはLoop38の井上さんと僕、お金がもったいないので車で行きました。
移動時間は片道7時間!(休み休みね) 長かったけど運転しながら山形のことを話した
り、地元上田のことを考えたりと大事な時間でしたね。

で、山形市に到着!
山形市の人口は約255000人、街並みは長野県松本市のような雰囲気でした。また明治
大正時代の建物や蔵が残っていてそれを改築、移築し再活用しているところがいくつか
ありました。(こーゆーの地元では少ないな・・・絶対どんどんやるべき)

会場はキャッスルホテルの会場でした。
イベント関係者、さまざまな活動をしている知り合いに再会し挨拶をする中、おみやげまで
頂きました。すんませんっ!また会話の中で皆が必ずといっていいほど説明してくれたの
が地元ブランド米の「つや姫」の話、お話してくれるみなさんが自信を持って話してくれる様
子は、ちょっと僕達も見習わなければいけないと感じましたね。

だって地元上田でうまい米の銘柄ってきっと誰も言えないよね?
これって残念だよな~ 誰もが自信をもって言えるよう地元人に啓発が必要ですよ!

さて、イベントが始まりスタートから僕達のトークセッションでした。
Loop38のビジョンやミッションを会場に来られた方にお話しました。質問で記憶に残ったの
が「組織の作り方はどのようにしたか?」でした。

ま、基本的には「変人」がいないとダメ的な回答をしましたが、リーダーや代表はいつまでも
しゃしゃりでてはいかんって話と、組織を作るならその街の市議会議員選挙で当選する人数
までつくれば行政にも意見力が生まれる、みたいなことを話しました。

トークセッションの後は山形で地域資源を活用した事業活動(農林水産・商工・観光業等)を
行っている団体が3分ずつプレゼンをするスタイルに。これが何より僕には面白かった!

まず山形で活動している団体が約20もプレゼンしたこと!
地元農業とコスメをコラボした話とか、廃校になった中学校の再利用プロジェクトなど印象に
残りました。何よりこんなにいろんな活動をしている人がいるんだ!とびっくり。長野にもきっと
知らないだけで沢山の地域資源を活用した事業活動をしている人たちがいるんだろうな~
廃校の中学校は翌日見学にも行きました。

山形でこういった活動が実現している背景には行政も協力的なんでしょうね。
何人かの県の方とお話ししましたが皆さんフランクで素敵な方達でした。新しいものごとには
お金とかが必要で、助成金などに頼りたい時は行政の理解が必要です。よくありがちな行政
の決め台詞は「前例のないものはダメ」。そんな解釈では何も新風は生まれません。
やはり行政との関係は、やりたいことを実現するには必要で、山形は長野よりうまくやってい
る感じがしました。

イベントの最後はお酒を飲みながら交流会に。これはLoop38と同じにコミュニティが生まれ
る大切な時間でしたね。途中ファッションショーなどもあり、会場も華やかに。

そして気の会う人たちと2次会、3次会へと・・・
この時間がいろんなヒントを共有できる時なんです。僕には!

何かしたい!と熱く考え行動している人たちとの会話は面白い。そして何か実現できる面白
い企画のきっかけが生まれるのもこのグダグダな時間に起きるんです!
会話は終始、地元の観光や農業の話だったな~都道府県単位じゃなくて山形×長野って感
じのイベントがあったって面白いよな、例えば東京の有名な場所をジャックして!


山形の「いも煮」うまかった~

翌日は山形出身の方々がいろんな名所を案内してくれました。
皆が「長野の人に何を感じさせればいいのだろう?」とあたまをフル回転しているのがとって
も伝わってきました。本当にありがとうございました。

逆の立場で他県から誰かが上田市に遊びに来てくれたときは、おもいっきり地元を紹介して
あげたい。とってもそう感じましたね。

山形、最高っ!!


先日ひさびさに東京へ行ってきました。目的は遊びではなく、「コワーキング・スペース」や
「シェアオフィス」とはどんな目的で需要が増えているか調べるためです。

「コワーキング・スペース」、「シェアオフィス」って何?

僕も最近まで詳しく知りませんでした。というか未だはっきりとした定義も無いのかもしれま
せん。簡単に言えば、いろんな人が自由な時間に同じフロアを共有して働く場所です。

まずはモバフ原宿へ。 http://www.moboff.co.jp/harajuku/
お洒落なカフェスペースの奥にある落ち着いた雰囲気のシェアオフィス。デザインは以前
お話を聞いたことのあるみかんぐみでした。
シェアオフィスはそのエリアによって利用者の業種に特色がでるようで、デザイナーだけで
なく、コンサルなどの方の利用が高いそうです。


次にターミナルへ。 http://theterminal.jp/
モバフよりちょっとカジュアルな感じの雰囲気。時間制で料金を支払い飲み物はフリードリ
ンク。僕にはちょっと落ち着いて仕事ができないかな・・・

次に渋谷JELYJELYCAFEへ。 http://jellyjellycafe.com/
ここはコワーキングスペースといった方がいいです。(その違いは後ほど)ここではお会いで
きた広瀬さんの話が何より最高でした。デジハリ卒の広瀬さんのアイディアには、しっかりと
したエッジがあり、今趣向がさまざまな中で必要な「やりかた」を聞かせて頂きました。

次に下北オープンソースカフェへ。 http://www.osscafe.net/
ガレージを改装した小さなスペースですが何か落ち着くスペース。個人的にはとってもしっく
りするスペースでした。ちょっと時間が押していたのでお話をじっくりできませんでしたが、
働くこと以外にいろんな企画を考えていて、最高のコミュニティがここで生まれているんだな
と強く感じました。

次に経堂にあるPAX Coworking(パックス・コワーキング)へ。 http://pax.coworking.jp/
パクチー専門店の上にあるPAXさんでは、そこにおられたデザイナーさんとお話することが
できました。何でしょう・・・みなさんいきいきと働いていて楽しそう。
ここでは、「Jelly」といった面白い情報を聞くことができました。

「Jelly」は世界各国で開催される「コワーキング体験イベント」の総称だそうです。
コワーキングスペースで行なわれたり、どこかのお店を借りたり、公園で集まったり、など、
場所に関係なくみんなで集まりワーキングしてみて、その楽しさを体験しすることだそうです。
ワーキングは経済活動とは限らず、例えば読みたい本を読む時間にあててもいいようでとて
も自由です。

何か楽しそうなので上田で「Jelly」をやりたいな~

運営者やそれに関わる方からいろんな話を聞いて感じたのは、コワーキングは「働く」だけで
ない、人とのかかわり方を楽しんでいる様子がうかがえました。きっと今の働き方には
そういった楽しさが必要で、会話の中で情報交換が生まれ、人の考え方までも共有ができ、
そしていい仕事ができるのだと感じました。

また、これまでがむしゃらに働くことが大事と思われていた日本の仕事イメージは変化し
やりたいことを何よりすぐ始められる環境や仲間が必要で、それを実現できている場所が
コワーキングスペースなんでしょうね。

大切なのはハードではなく人。
分かってはいたけどやはり見聞することはとっても大切なことだとしみじみ感じました。

働き方をデザインする。
ローカルにもそろそろ必要ですね!


デザインルームエム

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