別所温泉の松茸生産者表示。

別所温泉旅館組合の会長 倉沢章さんとは、私個人も深いお付き合いをしているため
この件についてお話を聞くことができました。

外国産の松茸はちゃんと検疫センターで100種以上の農薬検査などを受けて
旅館に仕入れられる。「宿泊料金がリーズナブルで料理が美味しい」ということは、観光
客が一番うれしいことです。それらを安心して旅行を楽しんでもらうには、ありのままの
事柄をちゃんと伝え、そして旅館組合全体でその安全性を維持していく活動に努め
ていくことが大切。もちろん国産松茸は土瓶蒸、茶碗蒸し、松茸ごはんなどに使用す
ればお手頃な価格でも提供することができるので、外国産と国産の松茸を食べ比べ
するのも楽しいかもしれませんよ。

と倉沢会長はお話ししてくれました。

たまたまTVニュースでこの別所温泉の松茸生産者表示について報道されているのを昨日
みました。そこで宿泊者のインタビューがあったのですが、

国産松茸は、大量栽培できる食材ではないので生産に限りがあるのはあたりまえ。
だから正直に言ってもらえることは安心できてうれしい。

たしかこんな回答でした。
つまり、暗黙の了解で利用者は実状を知っているわけです。
そんな状態で気が付いていないと思っている当事者は、いつか信用されなくなるのは
あたりまえかもしれません。

今回の別所温泉の公表はとても勇気が必要だったと思います。
なぜなら、これからのシーズンは松茸が目的の観光客が多く、松茸料理を提供する
松茸山だけでも1億円以上は売上ます。

もしかしたら理解をしてくれない利用者が多かった場合、その売り上げに大きく影響します。

どこよりも早くこういったことを公表し、観光地に信頼を築こうとしている別所温泉の誠実さ
には関心しました。ほかの観光地も見習って欲しいです。

偽ったり、管理が疎かっだったり、利益先行っだったりするから牛肉ニュースのような事件が
起きます。

また、ホントのことを良く理解して利用する私たちの知識もこれから重要だと思います。

例えば、無農薬の野菜がいいからそれしか食べない！なんて国民全員が思ったら野菜は
作れないんです。そういった生活者の特別的なニーズは販売者の意識を狂わすきっかけ
になる場合があると思います。
自給率40％の日本をどうすればよいか・・・それを自分の食べる食事内容に置き換えて考
えると、そもそもこの松茸のことも日本人の贅沢病に感じてしまいます。もし、輸入食材が
日本に無かったら日本人の毎日の食事は以下のようになるそうです。（農林水産省発表）

●毎日
・朝食......ご飯茶碗1杯、ぬか漬け1皿、粉吹きいも1皿
・昼食......ふかし芋1個、焼き芋2本、果物りんご1/4個相当
・夕食......ご飯茶碗1杯、焼き魚1切れ、焼き芋1本
・調味料......砂糖小さじ6杯・油脂小さじ0.6杯

●不定期
・うどん......2日に1杯
・みそ汁......2日に1杯
・納豆......3日に2パック
・牛乳......6日にコップ1杯
・たまご......7日に1個
・食肉......9日に1食(約100グラム)

だから・・・・安心が分かったら、どこ産だろうが、美味しく楽しみましょうね