手に職。

大工さん、塗装業、左官などなど、「手に職」をもった職人さんがいます。
企業に勤める職人さんではない、個人事業主の職人さんの話です。

個人事業主の職人さんって細やかな仕事をおこなえる高度の技術を
もった方が多いです。
昔はそういった職人さんが良いものを造り、若い人を育ててきました。

今も彼らがその業界の向上のためリードをしているかというと、実はそ
うではないのが実情です。



技術力の崩壊、日本。

仕事は必ず向こう側にお客様がいます。
例えば
お客様からの依頼(企業の営業)→打ち合わせ→商談→手配→工事→管理→集金→アフター
のように仕事の一連の流れを完了するには、業務が沢山あります。

そういったことを行えるのは会社組織になってきます。
営業力のない職人さんは企業からの提示された金額で仕事をこなし、お客様にクレームが
無いように無理難題を価格内で応え業務をこなします。それには職人さんが持っている
究極の技術が必要の無い場合もあったりします。
そんな間接的な業務で、さらに低価格時代の中、稼ぎが少なくなり廃業をする職人も増えて
きているようです。

でも、最高の技術はあるんです。

営業力のなさ、コミュニケーションが下手なことなどを改善すればいいじゃないか!
って言ってしまえばそれまでですが・・・そういったことは不器用なんですよね。

でも、モノづくりの想いは強いんです。
「時代の負け組み」と指をさしてクールに見定める人もいますが何か違う気がします。

駆け引きも知らず、また多売が目的でないだけにピュアな心が奥にある職人さん。
「消費者ニーズ」に平均化され、100点でない60点の職人さんだらけになってしまう
日本の技術はどうなんでしょう?(階段をつくれない大工さんが今多いそうです)

ニーズに合わせた、さまざまな平均化がこんな個人の職人さんにも影響がでてきて
いるんです。

若者に繋ぐ技術力の継承も必要。
後生に残したい職人技術が稼ぐことの出来ない職業ならばなくなってしまいます。

機械でつくった「蕎麦」でなく手打ちの「蕎麦」が今もおいしいと選ばれているように、
モノづくりに対してもそういった認識が生活者に多くなってもらいたいと思うのは
私だけでしょうかね?

また、職人さんの気持ちも大切です。
「唯我独尊」も男らしく個人的には嫌いではないですが
生活者は、腕のいい職人さん達をどう探せばいいのか知りません。
人との接点ががなければその技術を活かすことなく時が過ぎてしまいます。

名刺を持ったことが無い職人さんが多いと聞きます。
例えば「職人」と書かれた名刺を持つだけでもモノづくりの文化は変わるのではないの
でしょか?

そして私達のような印刷にかかわる人。
個人事業主が「名刺をつくってください」と相談されたときは大事に考えたいです。
「お金ないから黒1色で100枚でいいよ」なんて言われて簡単に仕事を済ますのでは
なく、黒1色でも素敵な名刺を提供してあげることが大切なことだと思います。

仕事をする誰もが皆、文化や経済に影響する何かに携わっていることを忘れずに。


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このページは、間島 賢一が2007年11月 7日 12:11に書いたブログ記事です。

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